博物館資料のなかの『富士山』
歌川広重 不二三十六景
12:東都山下町河岸(とうとやましたちょうかし)
江戸城外堀に面した武家屋敷の正月風景である。屋敷の門には大きな門松と注連(しめ)飾りが見え、空には凧が揚がっている。年始回りであろうか人影も多い。正月を言祝ぐ万歳の姿もある。 ※山下町(東京都中央区) …山下町は、江戸城外堀にある山下御門の門前、東へ向かう姫御門河岸通に沿った両側町である。本図は、外堀から対岸の外桜田にある大名屋敷越しに富士を望む。正面が佐賀藩35万7千石鍋島家の上屋敷、左が備中松山藩5万石板倉家の上屋敷。