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博物館資料のなかの『富士山』
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歌川広重 冨士三十六景
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2:東都駿河町(とうとするがちょう)
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冨士に向かって左右対称に店が立ち並ぶという、駿河町を描く際の典型的な構図を避け、通りの右側だけを切り取り、正月の情景を展開させた。注連飾りと門松が飾られた越後屋の店の前を、新年を言祝ぐ門付芸人たちが歩いている。編笠を被って三味線を弾き鳥追歌を唄う鳥追、烏帽子に大紋のいでたちの三河万歳、笛と太鼓を鳴らす太神楽。その賑わいに富士も隠れ気味で脇役となっている。
※三井越後屋(東京都中央区)
…三井越後屋は、延宝元年(1673)、伊勢国松坂(三重県松阪氏)の商人三井高利が呉服店、両替商を開業し、天和元年(1681)、駿河町に移転して、その後幕府の呉服御用達となった。 |
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